クリエーター図トーク

1)展示作家との会談、作品制作コラボレーションを基軸に作り上げる映像配信とクリエーターの制作現場を訪れての取材。クリエーターはリレー形式でつなぎ、輪を広めていく。

2)クリエーターをスタジオにお招きしてのライブ配信・ゲストとのライブチャットも可能。

クリエーター図トーク Vol.006---01-02-03-- 番組提供・株式会社ワコム

[写真家]●後藤元洋(ごとう もとひろ・げんよう)

miri_prof

1958年横浜生まれ。

自身の身体を使った写真表現を行う写真家。 東京綜合写真専門学校講師。 経歴-1958神奈川県生まれ、 1985東京綜合写真専門学校研究科卒業、 1989年 自主ギャラリーPAX Gallery設立に参加。1989年FROG(Film ROund Gallery)設立に参加。
1985年PAX Galleryで「とにカクやぁーだもんね!」個展から始まり、ほぼ毎年開催される個展や数多くのグループ展に積極的に参加している。

●撮影の話
残念ながら彼が望んだご開帳に使ったZAIM別館4Fでの撮影は出来ませんでした。すでに別館は立て替えのため全て封鎖されていたのです。でも、これも「ちくわ」が望んだ事だったのかも知れません。その会場となったその場所、そして何もない広い空間での撮影を後藤さんは望んだようですが、ZAIM入り口での写真撮影はそのままZAIMの背景が存在し、語る事を必要としない作品になったのではないかと思います。

 

撮影場所が決まった所で撮影機材を肩から降ろし、三脚とカメラをセッティング、調光を行います。撮影はセルフタイマーを使って行います、後藤さんのカメラと対峙している姿はカメラマンそのものです。当然のことながら機材としてのカメラを見る目は厳しさが増します。それまで穏やかだった後藤さんの表情は怖いほどに真剣そのものです。撮影はセルフタイマーを押した後、撮影場所まで行き「ちくわ」を口にくわえ被写体になるのですが、被写体になった後藤さんの姿は私の目からはちくわと同化しているかのように見えていました。後で彼に聞いた所、何の意識もせずに淡々と撮影者と撮影者の立場を行ったり来たりしているだけで、ポーズ等を考えた事はないと言う話でした。

 

セルフポートレートは30年以上前からはじめているそうです。当時は仕事で車の撮影をしていて、その忙しさの合間に出来る事として始めたという話です。セルフポートレートには元々興味があったのですが、その時の自分が作れる時間範囲で出来る物はこれしかないと考えたそうです。当時はセルフポートレートを撮るカメラマンは少なく、特に男性の作品は皆無と言っていい状態で、同時期にセルフポートレート作家として、自分を名画中の人物になぞらえた作品を撮り続けている森村泰昌さんを知ったと言う事です。

 

後藤さんは取材中「身体で考える」と言う言葉をよく使っていました。前記したように「ちくわ」との出会いも頭で考えていた中では生まれなかったでしょう。正直な話「ちくわ」に「呼ばれた」と言う方が正しいでしょう、とも言っています。現代人は常に頭を使う事を余儀なくされます。考えてから行動しろと、社会に問われているのです。右脳がどうだ、左脳がどうだ、等と、脳を解剖してみても人間の本質をひもとく事など出来ないでしょう。人間が考える行為は脳を中心にしているだけではないのです。人は脳として生きているわけではなく、脳も含めた全身を使った「心」が中心にあるべきです。彼の「身体で考える」という言葉はまさに私の思考と一致する所です。

 

ちくわが何故彼を呼んだのか、本当のところは私にも分かりません。しかし、ビジュアルの作家は言葉による明確な説明を必要としないから作家なのであり、作品は常に見えない部分、分からない部分があってこそ、はじめて作品として成立するものだと感じています。全てが明確にならないからこそ、見る側の意識を引き寄せるのです。作品には影の部分が絶対的に必要なのです。見えない部分を観客に創造しろと言うわけではなく、想像も出来ない部分に自分の身体で考えた、形にならない「気」とも言える存在が展開され共有し合うのではないだろうかと思います。

 

●言葉の話
言葉を大切にする。口から発生する[ことば]は「言葉」であって物の実態を示す言葉ではありません。日本語の「言霊(ことだま)」という言葉があるように、言葉には人間の様々な思いがこめられ、発せられます。ひとつの言葉でも環境や状況により様々に解釈される事があり、言葉は特定の環境の中ではじめて意味を持つ物ではないかと思っています。

前回の杉本さんもそうでしたが、後藤さんも言葉をとても大切にしています。身体で考える彼だからこそこだわる、ユーモアあふれる後藤さんの個展タイトルはそれぞれに面白い響きが感じられます。そのタイトルと作品とがどのように絡んでくるのか、それを見る事も面白いでしょう。あまりに多くの展示をされているので、あえてここには列挙しませんが、彼のサイトで御覧になり、次回の個展情報などを見て是非会場に足を運んで下さい。

Goto Motohiro Photographs


Artist HAL_

 

Vol.006
フルバージョン
後藤元洋
hen
inu
<suzume
washi
作家:Artist HAL_  http://hal-i.com/
----アーティスト----

キャラクター制作・デザイン・グラフィックアートを扱い、特にペ イントアートには定評がありペンタブレットの株式会社WACOMで も紹介され、 Painterで有名なカナダCOREL株式会社サイトでは Painter Masterとして登録されています。

※フリーランス、aiD'en会員、Digital Image 会員、デジタルハリウッド講師、韓国KIDP客員教授

0